「スタートアップ オフレコ対談」は 、XTech Venturesの代表手嶋とゲストの方をお呼びして対談する番組です。今回はエニグモ代表の須田さんをゲストに迎え、C2Cマーケットプレイス「BUYMA」について伺いました。

ネットで物を買うことも怪しまれた当時、様々な壁にぶつかりながら、どのようにして難易度の高い、全く新しいビジネスモデルを立ち上げたのか。また、上場から10年経った経営者として、現在は何を考えているのか。エニグモの今後の展望についても伺いました。

スピーカー

・須田 将啓( @Shokei

エニグモ 代表取締役

・手嶋 浩己( @tessy11

XTech Ventures 代表パートナー

目次

「BUYMA」立ち上げ当時の時代背景

C2Cビジネス成功のターニングポイントと反省点

営利30億円からの伸びしろ、BUYMA海外事業の手応え

過去の新規事業と撤退理由、黒字化へのプレッシャー

上場して10年、経営者としての考えと今後の展望(M&A・新規事業)

「BUYMA」立ち上げ当時の時代背景

手嶋:私と須田さんは博報堂の新卒同期で、もう20年ぐらいのお付き合いになります。須田さん、さらっと自己紹介をお願いできますか。

須田:茨城県水戸市に生まれて、地元でずっと地域活性化プロジェクトをやっていました。大学から東京に出てきて、大学院を卒業後に博報堂に入って、そこで手嶋さんと同じ部署だったんです。部署のメンバーにもう1人、田中という同期がいて。田中と一緒に創業したのがエニグモです。博報堂にいたのは4年ぐらいですかね。

最初につくったサービスが「BUYMA」でしたが、最初はなかなか立ち上がらなくて。並行して広告事業で短期的な利益を上げつつ、「BUYMA」は投資をして育てていく2本立てのポートフォリオでやってきました。「BUYMA」が育ってきたタイミングで、リーマンショックの影響もあり、事業を1本に絞ることに。そこから業績も安定して伸びてきて、上場して今に至るという感じです。

手嶋:15年を駆け足でわかりやすくご説明いただきました。起業家の人たちは、「BUYMA」のようなC2Cのマーケットプレイス事業を立ち上げるのに憧れてる人も多いと思うんですよね。めちゃくちゃインターネットライクな事業なんで。でも、実現するのがなかなか難しいドメインだと思います。「BUYMA」のサービスインは2005年でしたっけ?

須田:2005年です。

手嶋:当時は、Facebookがアメリカで生まれてるか生まれてないかくらい。日本ではちょうどブログが出てきて、Facebook広告で集客とかも当然できませんという時代。Googleのリスティング広告やYahoo!ディスプレイアドネットワーク(当時)くらいですかね。なので、今と「BUYMA」の立ち上げた時では全く環境が違うと思うんですが、いくつか具体的に教えてもらってもいいですか?

須田:ヒト・モノ・カネ、全ての状況が今とはかなり違いますね。まず、エンジニアも、eコマースをやっている人材もほとんどいない。サービスの立ち上げについて、誰かに聞いて経験をシェアしてもらうみたいなショートカットはまずできませんでした。